スタッフルーム

禁煙―2

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080217smoke.jpgタバコの発祥はインドで、そこからイギリスに渡り、更にアメリカに渡って一気に市場が開花していったと教えられた。
イギリスの小さなタバコ屋「フィリップ モリス」はアメリカに渡って世界有数のタバコメーカーになるのに当時はそれほどの大きな障害はなかった。
オレが日本とアジアのタバコ促進をしていた当時(現在も多分そうだろう)のタバコ消費国はインド、ブラジル、日本が世界のトップ3だった。
東南アジア諸国もそれに加わり、タバコ消費国の上位は「発展途上国」と呼ばれていた国ばかりだった。
「日本が発展途上国?」戦後国を挙げて復興を成功させた日本がインドやブラジルと同じ?
世界に通用する国に仕上げた日本の評価は確かに「高い」ものであったが、国民の文化度に対してのアメリカの見方は他の発展途上国と同じと見ていたのだろう。

「アメリカのタバコメーカーのトップはタバコを吸わない」ことは2月15日のブログでも書いたが、タバコを吸わない彼らはマーケティング戦略を駆使して、次から次に生み出すタバコ消費国向けの色々なブランドを生み出した。
それらは「タバコを持ったり、吸ったりする行為の奥のコンセプト」を見透かしたような研究を重ねてその国の『味』を産み出す努力もしていた。

例えば、オレが長年吸っていた「NEXT」は日本人向けだけの味付けで、ニコチン1mg、タール0.1mgと最も低い含有量だが「真のスモーカー」はこれを吸うなら「葉書を巻いて吸った方がマシ」とさえ言われた。未だに市場から消えないところを見ると「味付け」には結構根強いファンもいるのだろう。

「PARLIAMENT】(パーラメント)というタバコがある。コンセプトは「マンハッタンブルー」でマンハッタンの夜空の色である。これはアメリカ、ニューヨーク、マンハッタンとアメリカを羨望し、それを吸う事によってアメリカ人と同じシチュエーションを感じ取りたい東南アジアでヒットした。

日本でヒットしたタバコに「LARK」がある。コンセプトはスポーツや芸術になっていたが、一面の麦畑から空をめがけて一直線に飛び立つ「ヒバリ」をイメージしている。このタバコを吸ってもらうための「仕掛け」はスポーツ(ゴルフ)、芸術イベント、文化イベントなど無数にあった。

オレたちは各ブランドのコンセプトを理解して多くの仕掛けを考えてきた。
パッケージの色で日本で好まれるのは何色か、から始まりネーミング、販売方法、意識付けイベントなど当時の日本企業では考えられない手法をマスターしてきた。
アメリカから教えてもらったマーケティング手法は底知れず、いずれは日本の企業、商品の促進に役立つ事を夢見て頑張ってきた。

ところがである、いつの間にか「ミイラ取りがミイラ」になって、スモーカーに対する仕掛けで、自分が完全に麻痺してしまっていたのである。
長年タバコマーケティングをしてきて、スモーカーとしての自分を考えた時、スモーカーは「意地汚い」の一語に尽きると考えていた。
タバコのスティックをねじって吸ってみたり、パイプを使用して吸ってみたり、止めた後ガムを噛み続けたり、「そんな事をする位なら止めろよ」と言ってきたものだが、今、自分が至極単純な理由で「止めよう」と思った時、その「意地汚さ」は当たり前のように自分にも現れたのである。

スタッフが皆帰った後、表に出て「たった1本だけ」吸うために、自動販売機に買いに行く自分や、買うとき辺りをキョロキョロ見回したり、吸っているのを誰かに見られていないか又辺りを窺ったり、実に男っ気がなく、分別が無く、そして何よりも意地汚く、何と「文化度が低い人間」かと反省より前に悲嘆に暮れるオレがいたのである。

スタッフは皆帰ったと思っていたのに、2階の営業部に残っていた女子スタッフが覗いていた事は翌日判った。


※マーケティング上のデーターは当時を思い出しながら書いたもので、正確でない部分があるかもしれません。

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このページは、tateishiが2008年2月17日 23:00に書いたブログ記事です。

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